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zoom RSS 先週の競馬 1月第2週 続編

<<   作成日時 : 2009/01/15 18:24   >>

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昨日書いた通りもう一題、先週の競馬について記したいと思います。

直接的にファンの方には関与しませんが、今年から裁決業務に関する見直しがなされました。その中で、騎手の制裁基準も一部改定され、今まで2日単位での騎乗停止期間に加えて、偶発的要素を主因とする場合の走行妨害における騎乗停止期間として1日の騎乗停止というものができました。

そして、その制度の初採用となったのが先週の日曜日の中山第5レース未勝利戦です。

吉田豊騎手騎乗の大久保厩舎のエターナルレイズは4番枠からの発走でした。スタートが切られ発馬したとともに急激に内側に斜行していき、行き場を失った3番のリスクテーカーは危険を避けるために後ろに下げられてしまいました。その後、不利を受けたリスクテーカーは第2コーナーで競走を中止、エターナルレイズの方は、その後はしっかりと走って6位入線となりました。

パトロールビデオの映像はこちら

もともと調教でもスタート時に右に逃げたがるそぶりのあるエターナルレイズでしたが、スピードが上がる追い切りではまっすぐ走ることもでき、初出走の前走も思ったほど乗りづらくなかったようでした。しかしながら今回は悪癖を見せてしまい他馬に迷惑をかけてしまいました。ゲートなどもそうですが、初戦は何も分からないまま競馬場に来てレースを終えてしまいその悪癖を出す余裕すらない馬が、2戦目に悪癖を呈するというのは少なくありません。今回の事案であらためて2戦目の大事さというのを感じました。

ということで以上にも書いたように、馬の癖を主因とした走行妨害と認められたため吉田豊騎手の騎乗停止期間は今週の土曜日1日のみとなりました。また馬に関しては、発走後急に内側に逃避したということで2月1日まで出走停止となり、期間満了後に平地調教再審査という処分になりました。

さて、ちょっと説明の必要があると思って着順には触れなかったのですが、ここから説明していきたいと思います。

結局エターナルレイズは15着という最下位への降着となりました。私は中継を見ていてリスクテーカーが競走中止と聞いたので、てっきり失格だと思っていたのです。

走行妨害があった場合、基本として加害馬は被害馬の1つ後ろの着順に降着されます。そして被害馬が競走中止になった場合には2つのパターンがあります。1つは、その走行妨害が原因となって被害馬が競走中止となった場合で加害馬は失格、もう1つは、その走行妨害とは関係のない事由で被害馬が競走中止となった場合で加害馬は最下位に降着となります。

今回の事案に関して言えば、被害馬のリスクテーカーは走行妨害を受けて後ろに下がったのち、第2コーナーまで行ってその妨害を受けたこととは因果関係なく疾病を発症したことで競走を中止した、ということで後者のパターン、すなわち最下位への降着となりました。

ところで15着も失格も大して変わりないんじゃないの、と思われる方もいるかもしれません。しかし失格になるということは、出走とはなりますが出走して得られる諸手当が交付されないのです。出走手当は馬主の方々にとっても我々厩舎関係者にとっても貴重な財源ですから、15着と失格というのは大きい差があるわけです。

ファンにとって公正なレースを提供するということはもちろん、馬主の方々、そして自分たち自身のためにも、騎手は厳しくともフェアプレーでなくてはいけませんし、その騎手に馬をリレーする我々は鍛えるだけでなく乗り易い馬づくりを念頭において調教していかなくてはなりません。

最後になりましたが、被害馬の関係者の方々には加害馬の関係者の一人として謝意を表するとともに、故障の程度が大きくないことをお祈りさせていただきたいと思います。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
とてもわかりやすい説明です。そんなことがあったのですか。災難でしたね。15着は不幸中の幸いとも言うべきでしょうが、結果として両馬に投票したファンを裏切る形になってしまったことが大事です。畜生だから仕方ないと言ってしまえばそれまでですが、調教を生業とする限りそれではすまされない。でもファンに対してもちゃんと説明している貴方のスタンスは偉いと思います。いい仕事期待しています。がんばれ!
かまじぃ
2009/01/16 13:21
こんにちは。
走行妨害も防げるものと防ぐのが難しいもの(馬が何かに急に驚いてジャンプしたりする場合)があると思います。危険と隣り合わせの競馬ですので、調教や騎乗技術で悪癖(そういうのがある場合)を矯正するのが大切だと思います。
中には気性がきつく、それが競馬で良い方に出る馬もいますが、競争馬の基本は「従順」です。(もっとも馴致の時点で、ある程度馬の性格が出来上がってしまうのが、調教する側としては難しい部分もあると思いますが…)
しかしそれにもめげず、馬を見捨てることも無く頑張ってくださいね。(私は、馬は面倒を見る側次第だと思っているので。)
コメントが長くなってしまってすみません。
パープル
2009/01/21 01:25
>かまじぃ さん
 そうですね、どちらの馬にも馬券を購入されている方がいるという事実を真摯に受け止めなくてはならないですね。
 蛇足ですが、ややお仕着せがましい言い方になってしまうかもしれませんが、公正なレースを提供し、その上で馬の魅力を伝えることができたら、畜生ではなく別の表現を使っていただけるのかな、と自省しました(最終的に我々の仕事が一番馬をシビアに扱っている事実も踏まえてなくてはいけませんが)。

>パープル さん
 特に開業当初は取り扱いの難しい馬が多く入ってくる可能性は高いと思います。まさにホースマンとしての真価が問われます。何とかできる範囲でその馬の能力を出し切れるよう頑張ります。
おぜきんぐ
2009/01/21 23:23

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